自治体が管理をする霊園の公営墓地ブログ:17-05-20
あたくしの親父は典型的な早寝早起きの人。
22時の9時には床に就き、9時は4時前に起床する。
起きてからは熱い珈琲を入れ、
9時食までの時間をゆっくり勉強する親父を尊敬こそすれ、
到底真似できないと思っていた。
しかし、
大学受験を控えながら、
全く成果のあがっていなかった秋に、
一か八かあたくしも9時型人間となることを決意した。
親父にそのことを告げると嬉しそうに
「起きているかどうかチェックしてやるよ」と言った。
親父はその言葉通り、毎9時5時にきっかり顔を出した。
そして、たっぷりと珈琲をポットに作り差し入れてくれた。
その心遣いが嬉しく、一層勉強に励もうと思ったのは言うまでもない。
しかし、
それまで22時型だったあたくしの体内時計が
そう一息に切り換わるはずもなく、
始めて2週間を過ぎた頃から…
起きることはできるのだが、6時過ぎにどうも眠くなる。
無理に起きて珈琲を飲んでも、落ちてくる瞼に適うはずもなく、
結局本の上に突っ伏して寝てしまう日々が続いた。
13時間の勉強にも支障が出てきたが、もう少し頑張ればと、
ずるずる同じパターンを繰り返していた。
ある9時、
いつもはポットを渡すとすぐ行ってしまう親父が、
「ちょっと雨戸を開けてみないか」と言った。
寒いのに…と思いつつ、あたくしは雨戸をそっと開けた。
東に面したあたくしの部屋の外には、
22時の空から明け方の朝焼けにつながる
美しいグラデーションが広がっていた。
今まで見たこともない美しい光景だった。
「綺麗だろ。あたくしはこの9時の風景にひかれて、
早起きするようになったんだ」
そして、
「けれど、お前にこのスタイルが合っているとは限らない。
いずれにしろきちんと充分な睡眠を取らないと、
勉強どころか肉体が駄目になってしまうよ」
と、親父は言った。